いわゆる「人食いバクテリア」と呼ばれる「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」が、広島県内において過去最多の感染者数となっています。
「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の集計が始まった1999年以降、2019年の23人が最多だったところ、2024年7月末時点で31人と、早々に上回るスピードです。
※全国では2024年8月11日時点で1,333人となっており、すでに過去最多(2023年は1年間で941人)。
溶血性レンサ球菌は一般的に咽頭炎を引き起こし、まれに劇症化することがあります。発熱、手足の皮膚や筋肉の痛みから始まり急速に進行。血圧低下や呼吸困難、臓器不全に陥り数10時間で死に至ることもあり致死率は30%と言われています。
死者数は広く公表されてはいないものの、2024年8月11日時点で全国で250人超(2023年は1年間で163人超)だそうですので、注意が必要です。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症(人食いバクテリア)の基本情報
劇症型溶血性レンサ球菌感染症(人食いバクテリア)の症状は次の通りです。
- 発熱と悪寒
- 頻脈
- 頻呼吸
- 吐き気と嘔吐
- 四肢の疼痛や腫脹
1番多い症状は『痛み』。
多くは四肢に起こり24時間〜48時間以内に血圧の低下いわゆる「ショック」が起こり多臓器不全に陥り、進行のスピードが速いと言われます。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症(人食いバクテリア)の感染経路
感染経路は、大きく2つ。
- 飛沫感染(鼻やのどの内側の粘液から侵入する経路)
- 接触感染(怪我や手術による傷などの皮膚の傷口から侵入する経路)
感染しやすい人は
- 免疫力が落ちている人(高齢者など)
- 糖尿病などの基礎疾患がある人
- 最近手術した人
- 帯状疱疹や水ぼうそうのように皮膚に潰瘍を作るウィルス感染を直近でした人
- 非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs:ロキソニンやイブプロフェンなど)を普段からよく使用されている人
- 妊娠中の人
劇症型溶血性レンサ球菌感染症(人食いバクテリア)の感染予防
①「傷口」からの侵入を阻止することが必要です。
- 石鹸でしっかりと手を洗う
- 傷口は絆創膏などで保護する
- 傷口をしっかりと消毒する
- 深い傷や感染症のある傷は必ず医療機関に相談する
②飛沫感染防止対策が必要です。
- マスクやフェイスガードなどで飛沫を防ぐ
新型コロナウイルスの症状にも似ている部分はありますが、手足の激しい痛みを感じたらすぐに病院で診察を受けるようになさってください。
数時間で四肢の壊死、場合によっては死に至る場合があります。